日本人は、信頼を前提に成り立っている。
実際、人々が監視し合うのは互いを信頼していないからだ。
見張っているからこそ遅延が起きて、面倒な手続きやイライラするような問題が起こるといった隠れたコストが発生する。
だが、他の人々に疑念を抱かなければ見張る必要はこれっぽっちもなくなる。
信頼があればいったいどれくらいの生活が楽になるか、あらゆる取引や交換がいかに流れやすくなるかを想像してみてほしい。
監視や、監視を逃れるために捧げられてきたあらゆる努力が、社員や顧客、取引先、訪問者といった人たちにとって、本当に有益なことのために使えるようになるのだ。
本書で紹介した企業はこれを理解している。
だからこそ社員を信頼しようと決断したのだ。それによって解放されるエネルギーが新たな価値を生み出し、自分と周囲の人々の生活を豊かにしてくれる力になる。