フリーダム・インク「自由な組織」成功と失敗の本質

フリーダム・インク「自由な組織」成功と失敗の本質(アイザーク・ゲッツ, ブライアン・M・カーニー 著)|読書メモの一覧【Read swim】

フリーダム・インク「自由な組織」成功と失敗の本質

フリーダム・インク「自由な組織」成功と失敗の本質

アイザーク・ゲッツ, ブライアン・M・カーニー 著, 2024-01-24

人と組織を官僚主義の呪縛から解き放ち
自由を求めて奮闘するイノベーターたちの変革ストーリー

イノベーションを量産するW・L・ゴア
労働組合改革からV字回復をしたハーレーダビッドソン
「ティール組織」の代表事例となったFAVI、サン・ハイドローリックス

経営の常識を覆して「自由と秩序」を両立させ、飛躍を遂げる企業が世界中に存在する
なぜリーダーたちは変革を始めたのか? 何が成否を分けたのか?

この本には、かつて日本企業が成功した理由が詰まっている
今こそそれを再発見する時ではないか
――島田太郎(東芝社長CEO)

進化型組織論の中で、変革に向き合うリーダーに勇気をもたらす一冊
――嘉村賢州(『ティール組織』解説者)

日本人は、信頼を前提に成り立っている。
実際、人々が監視し合うのは互いを信頼していないからだ。
見張っているからこそ遅延が起きて、面倒な手続きやイライラするような問題が起こるといった隠れたコストが発生する。
だが、他の人々に疑念を抱かなければ見張る必要はこれっぽっちもなくなる。
信頼があればいったいどれくらいの生活が楽になるか、あらゆる取引や交換がいかに流れやすくなるかを想像してみてほしい。
監視や、監視を逃れるために捧げられてきたあらゆる努力が、社員や顧客、取引先、訪問者といった人たちにとって、本当に有益なことのために使えるようになるのだ。
本書で紹介した企業はこれを理解している。
だからこそ社員を信頼しようと決断したのだ。それによって解放されるエネルギーが新たな価値を生み出し、自分と周囲の人々の生活を豊かにしてくれる力になる。

@yuji 2025-01-21 13:21:14

二流の市民が一流の仕事をすることは難しい。
要するに、自分を見下すような組織や仕事に、誇りを持つことは難しいということだ。
そして、これは彼らのせいではない。上に立つあなたのせいなのだ。

@yuji 2025-01-21 13:21:05

解放型リーダーは、自らが率いることを嫌い、官僚制を拒否する。彼の目標は、さまざまな問題が社員たちによって解決されて、自分が必要なくなることだ。
これに対し、官僚的な組織のトップはさまざまな問題に対処することで、必要不可欠な存在で居続けようとする。

@yuji 2025-01-21 13:21:00

事務用品費が従来の35%、エネルギー関連費は30%、社会保障省全体では8%の経費削減を達成した。
信頼は統制ほど経費がかからないのが常である。

@yuji 2025-01-21 13:20:55

階層型の組織では、問題に気づいても、それを上に知らせようとする人はいません。
なぜなら、階層型の組織では、上司は常に「部下より物をよく知っている人」なので、問題を指摘すると上司に逆らうことになるからです。

@yuji 2025-01-21 13:20:50

官僚の過ちの一つは、何が正しいルールなのかは、現場よりも自分たちの方が知っていると考えていることである。
安全担当の官僚によってルールが作られると、現場は罰則を恐れてルールを遵守する。
なぜそのルールが必要なのかを彼らは知らない。
このルール以外の警報シグナルが出ようと、もしルールを破って問題を起こしたら自分が叱責されるので顔を背けてしまう。

@yuji 2025-01-21 13:20:45

官僚制では、人々は基本的に、官僚が支配しやすい単純な存在、あるいはロボットとして扱われ、
従業員のほうもその前提に則って行動する。
最も情熱的で知的な人々でさえ、官僚制に飲み込まれると、不満を抱えたり斜に構えたりする従業員に変貌する。

@yuji 2025-01-21 13:20:39

過ちを犯したトレーダーの同僚たちは誰も彼らの行動の異常性に気付かなかったというが、そんなことがあり得るのだろうか。
不透明なコミュニケーションがまかり通り、危機が差し迫っても、自分の問題として対処するどころか「それは自分の仕事ではない」という態度を取らせるような各社の組織慣行とは、一体何だったのだろう。

@yuji 2025-01-21 13:20:34

私は20年以上この業界で生きてきました。
マネジメントとは、結局働く仲間たちに敬意を払うことです。
管理職にある者が社員たちの安全と幸福を気遣っていることを示し、精神面を積極的に支え、
その結果として彼らの生活が充実し、仕事面でそれまでとは違うパフォーマンスを出せるようになれば、
そんな深刻な問題など起きない。

@yuji 2025-01-21 13:20:28

ヨロネンは、本社はビジネスの現場であってはならないと常に考えてきた。
SOLの事業は清掃であり、自分のオフィスを掃除しても商売にはならず、ましてやオフィスに居座っていては一銭にもならない。
社員には、現場に出て「決定する自由」を行使し、顧客と直接取引することを望んでいた。

@yuji 2025-01-21 13:20:22

人々は変化に抵抗するのではなく、変化を押し付けられることに抵抗する。

ハーレーダビットソンのティアリンク

@yuji 2025-01-21 13:20:17

3%の人間が手袋を家に持ち帰るのを防いで年間数フランを節約しよう、という方針は表面的には成功した。
しかし、生産性の低下、官僚主義、書類作業によって発生する追加コストが、その予算で考慮されることはなかった

@yuji 2025-01-21 13:20:10

マクレガーは「人々のモチベーションをどう高めるか」という問題を、
「人々が自らモチベーションを高めるにはどのような環境をつくるべきか」に定義しなおした。
デシとライアンはこの再定義をさらに発展させ
「人々はなぜその環境の中で正しい養分を得られないのか、そして環境の中で何を再構築すれば、それが得られるようになるのか」

@yuji 2025-01-21 13:19:41

人は思いやりをもって扱われれば、つまり成長し独り立ちできる環境を与えられれば、自ら意欲を高めて行動を起こし、高い成果を出して個人として充実感を得られる。
一方、環境の支配力が強まって人々の普遍的なニーズ(関係性、能力の発揮、自立性)を奪うようになってしまうとモチベーションが外側からコントロールされるようになり、人々は褒美を求めるか罰則を避けるためだけに動くことになる。

@yuji 2025-01-21 13:19:37

実際、社員たちは、リーダーが言っていることではなく、彼らが日々見せる行動を信じて解釈する。
毎日、毎月のように自分の目に映るリーダーたちの行動こそが信用されるのだ。

@yuji 2025-01-21 13:19:32

リーダーとは「プレーヤーがチームの目的に向かって前進する手助けになるのであれば、
意味のない仕事などなく、必要な時に、どこにでも行ける攻撃のサポート役」
あるいは、
「全員が仕事をどんどん進められるように飲料水を運ぶ給水係」のような存在と考えていた。

@yuji 2025-01-21 13:19:26

私はいつも、自分が正しい答えをもっているべきだと感じていました。
けれど今は、正しい問いを持ってさえいればよいことを知っています。
答えがどこからくるかは問題ではありません。

@yuji 2025-01-21 13:19:21

誰もが個人の利益を追求している会社では、どんな人・部門とも争いや対立が起こることは避けられない。
だからこそ、対立する利害関係社の間に立って意思決定をする、いわゆる調整役の上司を上に据える。
ところが、上司も自身の思考の枠組みにとらわれている。

@yuji 2025-01-21 13:19:17

労働者は、自分の仕事内容と目的を自らコントロールできず、最終の成果物に関われなくなり、自分の仕事に対する敬意を失っていった。
すると、監督者からの監視が厳しくなり、タイムカードその他の統制システムが導入された。
こうして、労働者は作業の最終目的に対するやる気をさらに失った。

@yuji 2025-01-21 13:19:07

職場のストレスには、状況を改善させるかもしれない非常に重要な要素がある。
それは、従業員が「自分は仕事をコントロールできている」という自覚があるかどうかである。
人は自分が今の状況や出来事を完全にコントロールできていると思った時にはそれほどストレスを感じない。

@yuji 2025-01-21 13:18:56

各種研究によると、ストレスが誘因となった生産性の低下などで、医療費がアメリカ企業全体にかかるコストは一年あたり1500 ~ 3000億ドルと試算されている。
アメリカ連邦労働統計局によると、従業員1人りあたりにかかるストレスのコストは年間1万ドルだ。

@yuji 2025-01-21 13:16:48

社員の多くが仕事においてストレスは「普通のこと」で、それに対してネガティブな反応を起こす人が軽視されてしまう文化もある。
しかしこれは深刻な誤りだ。
仕事上でのストレスは、私生活でのストレスよりも人々の幸福や健康に一段と大きなダメージを与えるという研究結果がある。

@yuji 2025-01-21 13:16:44

職場におけるストレスの原因とはなんだろう?
ストレッサーとは、仕事量の増加、要求水準の上昇、何をすべきかに関する不安感などのことだ。
また、従業員の良好な業務進行を妨げる、あらゆる制約や人間関係のいざこざなどもストレッサーだ。

@yuji 2025-01-21 13:16:32

会計士が語らないコスト - 無気力という病

ある業界横断的な調査によると、
相手企業との取引を止めた理由の73%が、担当者の冷淡さや酷さだった。

@yuji 2025-01-21 13:16:26

「機会さえ与えられれば、人々はよい仕事をしたい、学びたいという意欲を持っているはずだ」というトヨタの信念だった。

@yuji 2025-01-21 13:16:20

トヨタにはさまざまな職階や手順が現在も存在しており、その意味でこの会社は現在も従来型の官僚組織なのだが、同時に、他の企業とは異なる特徴も兼ね備えている。
トヨタは、良い仕事をしたい、学びたいという従業員の意欲を信頼している。
その上で、標準的な手順は「知る中で最善の方法」を伝えるものであるとはいえ、
一つの仕事をやり遂げるために何がどううまくいくのかは現場の人間の方がよくわかっている、
そういう前提で管理システムを作っている。
だからこそ、作業手順への疑問や改善提案を常に促しているのだ。

@yuji 2025-01-21 13:16:15